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インダストリー4.0とは (連載第2回)
ケー・ティー・システムは製造業向けSIerとして、工場現場の効率化・コストダウンを推進します。

インダストリー4.0とは (連載第2回)

2015.08.20

こんにちは、代表取締役の木下です。
前回インダストリー4.0に触れてから、期間が空いてしまいましたが、
今回はインダストリー4.0を取り巻く動向についてお話します。

■ IECで米・独が主導権争い?日本では?

独・米主導で進む次世代モノづくりシステム

国際標準化活動では、国際電気標準会議(IEC)の中で、
米国が主導する「Factory of the Future(FOF; 未来の工場)」が動いています。
2015年中に標準化の策定であるホワイトペーパーがまとまる見込みです。
これはインダストリー4.0の標準化に対するけん制の意味合いも強いとのこと。
2015年6月、東京ビッグサイトで開催された設計製造ソリューション展において
GE(General Electric)が提唱する「Industrial Internet」戦略について
日本GEの田中様のセミナーを聴講しました。
クラウドサービスを始めとするインターネットでの優位性を生かして、
企業が膨大なデータを人工知能による処理によって、
世界中にサービスを提供するとともに工場や設備を制御し管理しようという考えです。

今年のハノーバーメッセでは実践戦略「Umsetzungsstrategie Industrie 4.0」が発表されています。
ベッコフオートメーション川野社長からお話を伺う機会がありましたが、
実践戦略では、リファレンスアーキテクチャモデルも
「Reference Architecture Model Industrie 4.0(RAMI4.0)」公開されており、
より実装に近い仕様が公開されているそうです。

このように、独、米が主導で次世代モノづくりシステムが進んでいることは間違いないようです。
ビッグデータ、IoT時代における現在、製造業にも大きな変革が起きてくるでしょう。

我が国日本では

2015年版ものづくり白書

経済産業省より「2015年版ものづくり白書」が公表されています。
その中に、ロボット革命イニシアティブ協議会の設置とIoT社会における製造業の方向性
について触れています。
日本が世界に対して最も強みを持つロボットという領域から、
IoT時代の新しい流れにロボットでリードしていくという目的とのことです。

しかし、日本の製造業におけるビッグデータの活用は、諸外国に比べて決して進んでいるとは言えません。
「2015年版ものづくり白書」より、ビッグデータの活用状況を日米で比較したアンケート調査によれば、米国企業は90%以上がビッグデータを「利用している」と回答した一方、
日本企業は70%以上が「聞いたことがない、よく知らない」「検討したが、利用していない」と回答していました。
この点からも、日本が大きく立ち遅れていることが感じられます。

Industrial Value Chain Initiative(IVI)

また、国内では企業間の垣根を越えて協力を進めようという団体が生まれました。
「Industrial Value Chain Initiative(IVI)」です。
発起人は法政大学デザイン工学部の西岡靖之教授。
参加企業が企業の枠組みを超え、モノづくりを基軸に“緩やかな標準”による新たな連携の仕組みを作り出していくということが目的です。
標準化活動よりは、日本の製造業の課題を実際に解決できることを目標にしていると聞いています。
私感ではありますが、国内では大企業のモデル(インダストリー4.0のRAMI4.0に相当する)に偏りがちであり、中小製造業に向けたモデルは今まで確立されていないと感じているため、中小製造業を含めた日本の製造業への発信を期待しています。

2015.08.20 木下守克

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