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インダストリー4.0とは (連載第3回)
ケー・ティー・システムは製造業向けSIerとして、工場現場の効率化・コストダウンを推進します。

インダストリー4.0とは (連載第3回)

2016.02.29

こんにちは、代表取締役の木下です。
前回インダストリー4.0に触れてから、期間が空いてしまいましたが、
今回は中小製造業とITを中心に、その投資欲や意識について、日頃、
中小製造業の経営者の方々とお話しさせて頂いた内容をもとにまとめていきます。

中小製造業とインダストリー4.0

IT投資の方向転換

振り返ると、製造業のIT投資という点では、
その目的とされていたことは、「業務の効率化」「コスト削減」でした。
現状維持から利益確保という『守りの投資』の意味合いが大きかったのです。

最近では、ビッグデータの活用が注目されています。
データを積極的に活用していくことで、新しい製品・サービスの開発、市場・顧客環境の変化への対応、ビジネスモデルの変革など経営戦略の中心に据える動きが見えてきています。
前述とは意味合いが変わり、進化から利益を見出す『攻めの投資』と言い換えても良いかもしれません。

前回も取り上げましたが、日本の製造業におけるビッグデータの活用状況は、
70% 以上が「聞いたことがない、よく知らない」「検討したが、利用していない」と回答している事実があり、
ビッグデータ活用による、現状から新しい形へ変革するための『攻めの投資』という流れは、まだ日本では、特に中小製造業では遅れているのが現実です。

中小製造業では

話を元に戻しますが、中小製造業の経営者の方々は、
業務の効率化、コスト削減というキーワードに対して、未だに重要性を感じられています。
しかしながら、IT投資を十分にできない中小企業では、
上に挙げたキーワードだけでは投資に踏み切れなかったという現状を感じます。
最近の製造業には、インダストリー4.0という言葉が先行しがちで、
実際には何ができるの?と感じられている経営者の方々が非常に多いように思います。

インダストリー4.0の流れから、日本が進めようとしている新たな枠組みが、
単に製造を合理的に、効率的にするだけのものになってしまえば、過去の繰り返しになってしまいます。
少子高齢化社会が現実に迫ってくる中、企業は人材教育・育成、熟練技術の共有化等未来へ向けた体制作りが急務であり、
そこにIT技術を有効に活用していき、将来の企業を作る攻めの戦略が重要です。

今後の展望 ~中小製造業のネットワーク作り~

弊社は数年前の我々が取り組むべき未来戦略に「中小製造業のネットワーク作り」ということを挙げています。
中小製造業、特に自社ブランドで機械を製造しているメーカーは、現状では、
自分たちの工場がネットに接続され、生産状況や受発注、市場ニーズへ対応、
生産最適化などバーチャル空間の中に存在し、処理され、現実空間へフィードバックされるといったことは想像もされていません。
しかし近い将来、IoTの発展と共にこのような世界が現実化されるのでしょう。
決してシステムが中心ではないはずですが、企業内はもちろん企業間でも、
相互に価値を形成していく流れはおそらく止まらず、そのような時代が到来するでしょう。

これからの先の世界へ踏み出す(投資し将来の組織作りの)準備として、
自社の情報の整理、自社の状況の見える化、いわゆる自社の資産の有効活用することから取り組むことが必要であると感じています。
そして、その先にある課題共有、価値形成のための「中小製造業の小さなネットワーク」を提案したいと思っています。

日本の中小製造業の技術力は世界からも目を見張るものがあることは否定されま
せんが、世界の中で競争力を維持していくために、今こそIT及びネットワークを活用す
べきと思います。

2016.02.29 木下守克

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