2023年度の新入社員たち5人に社内研修について振り返ってもらいました。
本年度の研修課題も、Raspberry PiとNode-REDを使った「世の中に必要なもの」です。
本コラムでは、5人の内3人の研修内容を紹介します。
健康(心配な心肺)チェッカー 健康そう≠健康 ~S.M~
こんにちは。S.Mです。
私は自分が体調を崩しやすいことを発端にして、体調の見える化をしたいと思い、健康チェッカーを作成しました。
開発内容・提案内容
今回は体調を測るために、センサーからは以下の3つの値を測定するようにしました。
- 体温
- 心拍数
- 酸素飽和濃度(SPO2)
これらの測定値を取得後、Slackにてその日の睡眠時間、朝食の有無、主観的な体調の評価を送信し、その日の体調を評価する装置を作成しました。
また、ヘルスデータも一つの個人情報であることから、被測定者を識別するためにRFIDによる認証を行ってから測定が始まるようにしています。
ユーザー情報と各種測定値はデータベース(MariaDB)で管理を行っています。
体温ダッシュボード
パルスオキシメーターの測定グラフ
Slackへの通知
振り返り
先輩方の協力がなければ、この装置は確実に完成しなかったと断言できるほど、センサーを動かすまでに苦労が多く、先輩に頼り切りでした。
装置の中身云々よりも、社外研修と社内研修を通して人を頼ること、相談することの重要性を痛感させられました。
今後は人を頼って、なるべく早く問題を解決できるよう邁進して参ります。
摂取カロリー把握していますか? ~S.H~
こんにちは。S.Hと申します。
突然ですが、皆さんは一日の摂取カロリー量を意識しているでしょうか?
摂取カロリー量の基準値は男性の場合は、2000~2400kcal。女性の場合は、1400~2000kcalと言われています。
基準値を大幅に超えてしまうと、糖尿病やがんになるリスクが高まります。
一日にどれくらいカロリーを摂取しているのかを把握することはなかなかないと思います。
しかし、カロリーを電卓やメモ帳を用いて計算するのは面倒だと思いました。
そこで、画像認識で一日のカロリー量を把握出来るシステムを作成しました。
開発・提案内容
今回の開発では、商品の栄養成分表の画像を認識するためにOpenCVを使用しました。
装置の動作オペレーションは以下の通りです。
- スマホのカメラで複数の商品の栄養成分表を撮影
- 撮影した画像をSlackへ送信
- 画像解析が終わるまで待機
- 画像解析後、計算結果がSlackに表示
Slack画像
振り返り
システム自体は何とか形になったものの思ったようにうまくいかないことが多かったです。
特にラズパイのカメラのピントが合わなかったり、プログラムのエラーに悩まされたりしました。
また、時間の関係で妥協した部分もあります。
自分が思い描いていたプログラムが完全に終わらなくて悔しいです。
今回の自由課題の作成では、周りの人を頼ること、分からないことはすぐに調べる、相談することの大切さを学びました。
実際に学んだことを今後の業務に活かしていけたらと思います。
フリーハンド入力は本当にフリーなのか? ~R.Y~
こんにちは、R.Yです。
私は、マウスやキーボードや画面にタッチして入力することが少しメンドクサイと感じており、パソコンやスマホ等に触れることなくジェスチャー(身振り)をすることでの文字入力とSlack連携を実現しました。
開発・提案内容
今回の開発では、Grove-ジェスチャーセンサーを使用する事で
パソコンやスマホ等の機械に触れることなく文字を入力&Slackへの連携機能を作成しました。
センサーに向けてジェスチャーをすることで、Raspberry Piを通して文字を出力/送信するシステムになっています。
下記の順番で操作することを想定しています。
- USBカメラに向かって手をかざしてジェスチャーセンサーを起動
- ジェスチャー(上、下、右、左など)を実施して、文字列を入力
- ジェスチャー(渦巻)で文字入力を確定し、Slackへ送信
また、事前に登録しておいた特定の文字(_bなど)を入力して長いメッセージやよく使うメッセージを簡単にSlackへ送信できるようしました。
↓
開発時の苦労
実装する過程で苦労したのがジェスチャーの入力です。
ジェスチャーを識別する為にGrove-ジェスチャーセンサーというものを使いました。
これは、センサー側に既に登録されているジェスチャーのみ検知できるものでした。
ジェスチャーの種類は、9種類あり
「右」「左」「上」「下」「時計回り」「反時計回り」「波」「前」「後」を識別することができます。
ここで問題になったのが誤検知と検知頻度です。
「波」→「波」のジェスチャーは、上下に動かすため「上」または「下」と誤検知
「前」「後」→意図せず頻繁に検知
上記問題があった為に使えるジェスチャー6つに絞られてしまいました。
よって、半角英数字(約60種類)の入力を可能とする為には、1文字入力する際にジェスチャーの入力回数を3回行う必要になりました。
結果として、楽をするためにフリーハンド(ジェスチャー)での入力を実現させたものの、入力自体が手間という事になりました。
振り返り
今回の研修では、自身が考えた内容を実装するために経験していなかった多くのものに触れました。もちろん実現できるかどうかや期間内で作り切れるかという問題もあり、当初はとても不安でした。
しかし、知らないものは仕方ないので調べて試す。失敗したら別の方法で試す。
試さなきゃわからないということが制作過程で多くありました。
今回の研修を通して、何事も試してみることが大事であるという事を学べました。
この学びを忘れず、業務に励んでいきたいと思います。