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IVIつながるものづくりアワードでダブル受賞しました
ケー・ティー・システムは製造業向けSIerとして、工場現場の効率化・コストダウンを推進します。

IVIつながるものづくりアワードでダブル受賞しました

2026.09.16

こんにちは、開発2部の古川です。
6/11にIVI(インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ)のシンポジウムにて、私が参画した業務シナリオWG(ワーキンググループ)「AIでプラント保全業務を変える!~手順書・仕様書自動生成へのチャレンジ~」が優秀賞を受賞いたしました。また、弊社メンバーの栗原が参画した業務シナリオWG「カーボントレーサビリティ実現と新価値創出」が特別賞(殿堂入り)を受賞いたしました。多くの方に高く評価いただけるような活動に参加できたことを大変光栄に思っております。

業務シナリオWG(ワーキンググループ)とは

業務シナリオWGとは、各企業に共通していると思われる現状や課題、解決手段、そして目指す姿について互いに議論を深め、解決に導くモデルを明らかにしていく活動です。
ケー・ティー・システムはこれまでも様々なWGに参画してきました。
IVI公開シンポジウム2023-Spring- に登壇しました
IVIにて2年連続最優秀賞を受賞しました
IVIつながるものづくりアワードで殿堂入りしました!
 

AIでプラント保全業務を変える!
~手順書・仕様書自動生成へのチャレンジ~

私が参画したWGの具体的な活動を紹介させていただきます。本WGが目指したのは、プラント保全における仕様書・手順書作成業務の改善です。ある会社さんでは、仕様書・手順書作成業務に多くの時間を費やしており「業務改善によってこの時間を短縮しよう!」というのが、活動のスタートでした。

現状分析

改善にあたり、業務フローの見直しを行いました。
その結果、仕様書・手順書の作成に時間がかかっている理由として下記が挙がりました。

  • 過去資料をもとに作成する必要があるが、資料数が多く、必要なものに辿り着くのが大変
  • 過去のノウハウが生かせておらず、担当者が変わると過去の指摘をまた受けてしまう(修正発生)

解決案

現状の課題に対し、「LLM」と「RAG」を組み合わせることで解決を目指しました。

LLM(大規模言語モデル)とは、言葉を理解し、自然な文章を作り出すことができるAIの一種です。(ChatGPTなどでご存知の方も多いかもしれません。)今回は、LLMを活用して仕様書の作成を行うことにしました。
LLMは一般的な知識に基づく文章生成は得意ですが、会社独自のルールや過去の仕様書の内容までは把握していないという課題があります。そこで活用したのが「RAG」です。
RAGとは、あらかじめ用意したデータ(社内データなど)から必要情報を検索し、その情報をもとにLLMが回答を生成する仕組みです。この仕組みにより、LLMの文章生成能力と自社情報を組み合わせることができ、精度の高い仕様書の自動生成が期待できます。

「LLM + RAG」の構築には、Google CloudのVertex AIを使用することにしました。
選定理由は以下のとおりです。

  • モデルの学習や調整、運用環境の構築までを迅速かつ容易に実施できる
  • Googleアカウントがあれば比較的容易に利用を開始できる
  • 無料トライアルが提供されており、実証実験を低コストで開始できる

実証実験を通して分かったこと

決定した解決案を実証実験として行いました。実証実験を通じて、「LLM + RAG」の構築についていくつかの学びがありました。

データ準備

Excelデータはそのまま読み込ませても活用が難しく、見出しや表構造を整理したテキスト形式への変換が必要でした。また、今回検証したテキストベースのRAGでは図や表の意味・関係性までは理解できないため、図表の情報を文章として補足する工夫も必要でした。
上記2つは既存データに対する準備ですが、これに加えて、回答精度向上のための情報追加も必要でした。文書の分類情報や作成日時、対象業務などのデータ(メタデータ)を追加することで、必要な情報が見つけやすくなり、回答精度の向上が期待できます。

ハルシネーション対策

RAGによる検索情報が不十分な場合、AIが無理に回答を埋めようとし、ハルシネーション(事実に基づかない回答)が発生しやすいことが確認されました。そのため、AI自身が情報の不足を判断し、必要に応じて利用者へ質問しながら情報を補完していく対話型の設計が重要との認識が生まれました。

単にデータを投入するだけでなく、AIが活用しやすい情報基盤を整備することが、実用的な運用には不可欠であると思いました。

最後に

本活動を通じて、RAGという注目技術を活用し、業務改善を目指すという貴重な経験ができました。目的のデータを素早く見つけたいというニーズは、多くの企業様にも共通するのではないかと感じました。
今回はGoogle Cloudに疑似資料をアップロードして実証実験を行いましたが、実際の現場では社内データを外に出したくない、というご要望もあると考えております。業務改善に役立つこの技術を、安心して使っていただくための勉強もしていきたいと思います。

2026.09.16 古川
コラム

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